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mihonakanishiのブログ

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2020.02.06 流産後の女性はInstagramに救い、感情のはけ口を求める 女性は流産を乗り越えるため、画像共有プラットフォームであるInstagramを、苦悩および他の感情を表現し、同じような喪失感を味わった他者とつながるための方法としても利用している、と研究者らは述べている

Saumya Joseph

(ロイターヘルス) - 女性は流産を乗り越えるため、画像共有プラットフォームであるInstagramを、苦悩および他の感情を表現し、同じような喪失感を味わった他者とつながるための方法としても利用している、と研究者らは述べている。

「流産しました」というハッシュタグがつけられた数百万件もの投稿を解析したところ、コミュニティを見つけ、流産について「打ち明ける」目的で女性がこのソーシャルメディア・サイトを利用していることに同研究者らは気付いた。医療従事者はリソースであるこのはけ口について話し合うことを検討するべきである、と同研究者らはObstetrics & Gynecology誌に記している。

妊娠の最高20%が流産に終わる点、そして診断および医療に関する情報がいろいろな場所で手に入るにもかかわらず、胎児消失がもたらす心理社会的影響についてはあまり広く話し合われていない点を、著者らは指摘している。

「公表しても『差し支えない』妊娠第2三半期になるまでは通常、妊娠を公表しないという文化がある。この時期に達すればおそらく妊娠が良好に経過すると思われるためである」と主任研究者であるSidney Kimmel Medical College(フィラデルフィア)のDr. Rebecca Mercierは述べた。

つまり、多くの女性が社会的支援のないまま流産を経験し、喪失感に対処し、おそらく喪失を深く悲しんでいるが、他者はそのことを知らないままである可能性があるということである、と同研究者は述べた。

Mercierらは、女性が自らの経験をInstagramでどのように表現したのかを調査するという手法で、流産に対する女性の反応をもっと「包み隠さず把握する」ことに関心を寄せた。

同研究者らは、#流産しましたというハッシュタグをつけて2019年春の5日間にInstagramにアップロードされた投稿の中から選定した200件をレビューした。この投稿方法は、ロサンゼルスに本拠を置く心理学者Jessica Zuckerが開始したキャンペーンである(https://bit.ly/2RFoJvP)。

ソーシャルメディア上で経験を共有するという行動の背景にある重要なテーマは、救いを求め、救いを与えることだと同研究者らは気付いた。流産は極めて重要で人生を決定づける瞬間として表現されており、投稿には、胎児を失ったにもかかわらず母親としての女性の新たなアイデンティティが反映されていた。

最も多く吐き出されていた感情は苦悩であり、次いで葛藤、怒り、後悔そして希望であった。苦悩といったひとつの感情だけを表現するのではなく、いくつかの感情を同時に表現している投稿が多く見つかった、と同研究者らは指摘している。

家族、友人および同僚の反応を記載した投稿もあった。その中には、鈍感で、人を傷つける表現だと女性が感じたコメントも記載されていた。

「流産を経験した女性に対し、友人および知人がかけることの多い言葉の多くが助けにはならず、鈍感ともいえる言葉である」と同研究に関与しなかったMassachusetts General Hospital(ボストン)のDr. Michael Greeneは述べた。「真剣に考えようとしないこの種のコメントは、流産を嘆き悲しんでいる女性の助けにはならない」

喪失感に折り合いをつけ、対処する方法として、大半の女性は宗教に目を向けていた。多くの女性が、植樹する、タトゥーを彫る、記念碑/芸術作品を作る、亡くなった児に名前を付けるといった様々な方法で流産を追悼していた。

「自らが経験した喪失を記憶し、追悼するための方法を考案していること、そしてそうした方法をソーシャルメディアで共有することが現代独自の嘆き悲しむ儀式となっている可能性があることが、投稿されたコンテンツの一部により示唆されている」とMercierは電子メールに記した。

不安と抑うつに対する助けを求めて専門医の心理療法やカウンセリングに通っている女性の投稿がいくつかあったが、セルフケア(運動、栄養、ウェルネスなど)に重点を置いた投稿もあった。

自らの経験をソーシャルメディアで共有している女性は誰でも、否定的なコメントに自らをさらすリスクをかかえることになる、そしてオンラインで分かち合い、救いを求めるという行為が専門医の支援を求めるという行為に取って代わるはずはない、とMercierは注意を促している。

「インターネットには醜い側面がある。自分の問題を解決するためにインターネットを利用するといったことを推奨するのは非常にためらわれる」とGreeneは電話インタビューで述べ、心理療法士あるいは同じような経験をした別の患者を女性に紹介する方が良いと思う、と補足した。

実際に、有資格の医療従事者に相談するよりもInstagramに投稿する方がこの出来事に関する悲嘆が大きく解消される、あるいは心の平安を得られることが同研究によって立証されるわけではない、と同氏は補足した。

「この経験が担当患者にとって非常に衝撃的な経験となる可能性があることをただよく理解すること、そして人生における出来事として女性が経験したこの種の出来事をささいなことと片付けて最小限に評価しないようにすることが医療従事者にとって重要である」とGreeneは述べた。