完全自殺マニュアル 誕生日に買ったんです。
誕生日に買ったんです。
2021年6月23日に日本でレビュー済み
数年前の誕生日に買いました。
この先本当に生きていたくないな、無理だな。って強く実感した日です。
仕事が多忙に次ぐ多忙で睡眠もままならない、食事なんてほとんど取っていない状況でした。
オフィスで誕生日を迎えた時、衝動的にもう無理だ、死のう。と決意。
家に帰る体力もなく、近場のホテルに転がり込みました。
この時なんとなく、部屋が12階なら飛び降りよう。そう決めてのチェックイン。
運命なのか、奇跡的に12階でした。ただこういうビジネスホテルは窓がほとんど開かない仕様にかっています。飛び降りなんて到底できないはず。
ところが導かれる用に窓が故障しており、ガッツリ開きました。
あぁ、神様が手助けしてくれてるんだな。と涙が零れました。
泣いたのは久しぶりで、1人で嗚咽。
ひとしきり泣き終えた後、さぁ飛び降りようと窓を開け、身を乗り出し、これから向かう先を見ました。
なんてことない無機質なコンクリート。最後に見る景色はこれかぁ。つまらない人生だったなぁ。
数秒後にはもう意識は無いのかなあ。
なんてことを考えると、情けないことに飛び降りが怖くなってしまいました。
飛び降りが、首吊りか、どっちがいいのだろう、とこれから死ぬにしては随分と間の抜けた疑問が浮かび検索をかけると本書がヒット。
どうせ死ぬなら楽な方、と購入。自分への誕生日プレゼントでした。
読んでいくうちに、自殺のやり方には思ったよりも多種多様な方法があることを学べました。
不謹慎ですが思わず面白いなぁとも思いました。
その時、まだ知らないことってこんなにあるんだな、自分は面白いとまだ思えるんだなということを強く実感しました。
そうなると、今は辛いけど、まだ世界の全てを見通した訳では無い、まだ頑張れるかも。
そんな気持ちになれました。
こんな本を読むなんてけしからん、と思う人も多くいるかもしれませんが、あの夜、この本に出会わず適当なブログでも見つけたものなら、たぶん死んでたと思います。
あれから数年経って、長生きした意味はまだ見つけられてませんが、少なくともまだ未来に希望は持てています。
好奇心が命を救ってくれました。
本当にありがとうございました。