名古屋 心理カウンセラー 悩み相談 電話相談はこちら ⇩ https://talkn-jp.com/prf_sch_show.php?URL=8961

mihonakanishiのブログ

名古屋 カウンセラー

自死遺族、父を否定しないでくれてありがとう

父を否定しないでくれてありがとう
2021年8月22日に日本でレビュー済み
自死遺族としては特殊な意見だと思います。ご不快になられそうな方は読まないでください。
※事情や感じ方は人それぞれ、様々です。あくまでこんな人間もいるという事でお願いします。
※この本は父の死後、私が書店で購入しました

父が自死を選びました。
自死は最悪の大間違い、そして家族は身内が自死をしたら一生引きずるもの、という風潮が苦手です。

当時は泣きました、悲しむ母や身内を見てこんな辛いことは二度と無いだろうと思いました。事後処理も色々と大変でした。
でも、それと同じくらいに父の選択を否定されることが苦痛でした。
事前に相談をしてくれていたら、もちろん止めました。会社を休んで、家族会議を開いて
、一緒に病院に行って、出来ることはしたと思います。
でも、それで解決しないと思ったから何も言わなかったのだと思いますし、正直なところ、死にたい父を思いとどまらせられる自信はありません。物理的に止めることはできたかもしれませんが…

父は、なるべく人の迷惑にならない様手段を選んで死を選びました。自死する人は残された人の事を考えていない、という方もいますが、辛い思いをしている時に、もう去ろうとしている場所にいる人のことをどこまで考えられるだろう…とも思います。
私だって、しにたい、と思ったことがありますが、そんな時、周りのことなんて考えられませんでした。
父はむしろ、今までずっとそれを我慢してきたのではと思うのです。家族のために我慢して生きなければという事そのものが、父を追い詰める一因となっていたのではと、遺書を見て思いました。
だとしたら、もう、これ以上父を責めたくない。親戚に、こんな大事な家族がいるのにひどい人ねと言われるたび、私達の事を思って言ってくれているとわかっていても、モヤモヤしていました。時間が経ってもつらいわね頑張ってねと言われるたびに、優しさから言ってくれているだけだと分かっていても、父はとんでもない間違いを犯し、我々はそれを止められなかった事を背負い続けねばならないと言われた様な気になり憂鬱でした。

だからこそ、本書の全く自死を否定的に捉えない姿勢にとても救われました。
別に作者の方はそういう意図で書いたのでは無いのだと思いますが、人は死にたいという気持ちを持つことが当然にあること、それは否定されるべきで無いということを通して、残された我々が当然に自然に生きていくことを肯定された様な気持ちになったのです。

父は頑張った、辛いなりに、その状況をなんとかしようとした。最低限、家族の迷惑にならない様気をつけた。言いたいことが全く無い訳じゃ無い。でも、もう終わってしまった。だから、もう辛い思いをしていないならそれはよかった。と言いたい。
今まで我慢してくれて、ありがとう。生きている世界の事は、生きている人間でなんとかします。だから、もう何も気にしないで、こちらはこちらで楽しく精一杯生きます。さようなら。

この本を書いてくれて、ありがとうございます。